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あの人にご挨拶 Vol.02 アートディレクター・ミニチュア写真家 田中達也 今インターネット上で話題の「ミニチュアカレンダー」をご存知でしょうか?ジオラマ用のミニチュア人形と日常の道具を組み合わせて、不思議な世界観を表現した写真。2011年4月から日めくりのようにネット上で毎日更新されているその作品は、世界中にファンを広げ、写真共有SNS「インスタグラム」のフォロワーは、現在40万人にものぼります。その作者・田中達也さんは実は鹿児島市在住。ユニークな発想の原点や、鹿児島の魅力について伺いました。

QUESTION01

ブロッコリーを森に見立てたり、罫線ノートを競馬のレース場に見立てたり…。思わぬ道具でミニチュアの世界を作り出す発想にいつも驚かされます。そのユニークな発想力を育んだものは何なのでしょうか?ご自分ではどのように感じていらっしゃいますか?

幼少期の「買ってもらえなかった感」でしょうか、おもちゃとかを(笑)。欲しいけど買ってもらえなかったもの、それを補うために、子どもって有るもので遊ぼうとするじゃないですか。本をたくさん立ててビルみたいにしたり、それこそブロッコリーを森みたいにして、ウルトラマンの人形で遊んだりっていうのは実際にやった覚えがありますね。みんな子どもの頃にやっていたと思うんです。そんな経験が、今に繋がっているのかもしれないです。

QUESTION02

作品を作るとき、幼少期の発想をよく思い返したりされますか?

今の作品は、子どもの頃遊びでやっていたことと重なる部分はあるにしても、懐かしがって作っている感覚ではないです。子どもの頃遊んだことを今に生かそう、というのともちょっと違う。やはりそれは子どもの発想なので、四角いものをビルにするとかその程度で、見立てとしての面白さは弱いですから。

QUESTION03

では、田中さんの作品の面白さはどのように
磨かれていったのでしょうか?

大学卒業後、鹿児島の制作会社に入社してデザイナーをしていました。広告を作っていたので、面白いアイデアを考えないといけない。そこで思いついたりしていたんです。例えばミニチュア人形がここにあって、ファスナーの部分を線路やソリとして使うと広告として面白くなるかな、とか。それにコピーをうまいことつけると一枚のポスターにできるなとか。幼少期の経験もありつつ、そうやって広告を作っていたことも大きいと思います。

出番を待つミニチュア人形たち

QUESTION04

作品のネタはどんな時に思い付くのですか?

自然と思いつくようなことはあまりなくて、無理やり考えようとしないとアイデアも浮かばないことがほとんど。例えば冬といえば雪ですよね。そうすると、まず白いもの、雪っぽく見えるものを探そうとか、クリスマスツリーをテーマにするときは、まずは三角のものをたくさん探そうとか、目的をもってモノを見ないと見つからないです。なんとなく思いつくときもありますが、作品をきちんと毎日更新するうえで時季に合ったものを考えるには、そういった作業が必要になってきます。

QUESTION05

ご自分の作品が多くの人に支持されていることについて、どのように感じていますか?

やはりインターネットのおかげですよね。それがなかったら、こうやって自分の作品を沢山の方に見てもらうこともできなかったわけなので。一方で、インターネットを通して知ってもらっているので、あまり鹿児島の人と思われていないのが面白いです。東京の方から連絡が来て「明日打ち合わせ行きませんか」と気軽に言われることも。最近ようやく鹿児島在住ということが認識してもらえるようになってきました。

QUESTION06

海外からの反応についてはどのような
印象を持たれていますか?

作品を分かってもらえていると感じます。食べ物とか日用品は世界共通のものなので、それを何に例えるかは言葉がなくてもわかるのかなと。アラビア語や中国語でコメントが入っていたり、中東からメールで仕事の依頼が来たりすることもあります。台湾や香港からも多いです。感想としては、もっと英語を勉強しておけばよかったなと…。返事にはグーグルの翻訳機能を利用しています。

撮影風景

QUESTION07

昨年の11~12月には、初の個展を鹿児島で開催されました。

期間中は展示物を入れ替えたり、会場内で見立てられる場所をみつけたらそこにミニチュアの世界を作ったりしていました。たくさんの方に来ていただき、九州は全県から、大阪や台湾などからも、このために来てくださった方がいらっしゃいました。

QUESTION08

海外進出の野望はありますか?
また、今後やってみたいことは?

「海外で個展をやったら」と言ってもらえることもありますが、今のところは海外での個展よりも、まず国内で半数以上の人に見てもらえるくらいになれたらと思っています。やってみたいことは、ミニチュアとは逆の発想。例えば部屋全体を使ってキッチンの上を表現して、人間をミニチュアに見立てるような世界を作ってみたらどうなるかなと考えたりしています。

人形とからめて使われる道具は様々

QUESTION09

SNSを通して世界中に知られるようになった田中さんですが、住んでいるこの鹿児島は、
田中さんにとってどのような場所ですか?

「いい距離感」の場所。東京や大阪はイベントごとも多くてよく呼ばれるのですが、そのときには飛行機一本ですぐに行けますし、一方で、離れているのでしがらみを感じることなく制作に専念できます。都会に比べるとあくせくしてなくて、おもしろいことがほどよくあってほどよく無いのもいいところ。子どもの頃の「買ってもらえなかった感」じゃないですけど、自分にとってはおもしろいことが多すぎてもダメ。地方はだいたいそうなのかもしれないですが、ただ自分にとって鹿児島は、学生時代からいるので一緒に飲みに行ける友人もいて、まったく知らない人ばかりというわけではなく、いい具合に息抜きもできて制作に打ち込める環境かなと思います。

QUESTION10

最後に、鹿児島の好きなところや好きな場所を教えてください。

宇宿のハンズマン(ホームセンター)です。物色するのが楽しくてよく行きます。巨大なボルトとか、他ではあまりお目にかかれないようなサイズのものや道具が色々とあって、そういうのを見るのが楽しくて、ずっと居られますね。あとオプシアミスミ(書籍や雑貨、文具、玩具などを扱う書店や衣料品店、飲食店などが集まったショッピングモール)も好きです。初めて買ったミニチュア人形も、学生のころにオプシアミスミで出会ったものなんです。

2016年1月4日に更新された作品「新パン線」

今インターネット上で話題の「ミニチュアカレンダー」をご存知でしょうか?ジオラマ用のミニチュア人形と日常の道具を組み合わせて、不思議な世界観を表現した写真。2011年4月から日めくりのようにネット上で毎日更新されているその作品は、世界中にファンを広げ、写真共有SNS「インスタグラム」のフォロワーは、現在40万人にものぼります。

その作者・田中達也さんは実は鹿児島市在住。ユニークな発想の原点や、鹿児島の魅力について伺いました。

QUESTION01

ブロッコリーを森に見立てたり、罫線ノートを競馬のレース場に見立てたり…。思わぬ道具でミニチュアの世界を作り出す発想にいつも驚かされます。そのユニークな発想力を育んだものは何なのでしょうか?ご自分ではどのように感じていらっしゃいますか?

幼少期の「買ってもらえなかった感」でしょうか、おもちゃとかを(笑)。欲しいけど買ってもらえなかったもの、それを補うために、子どもって有るもので遊ぼうとするじゃないですか。本をたくさん立ててビルみたいにしたり、それこそブロッコリーを森みたいにして、ウルトラマンの人形で遊んだりっていうのは実際にやった覚えがありますね。みんな子どもの頃にやっていたと思うんです。そんな経験が、今に繋がっているのかもしれないです。

QUESTION02

作品を作るとき、幼少期の発想をよく思い返したりされますか?

今の作品は、子どもの頃遊びでやっていたことと重なる部分はあるにしても、懐かしがって作っている感覚ではないです。子どもの頃遊んだことを今に生かそう、というのともちょっと違う。やはりそれは子どもの発想なので、四角いものをビルにするとかその程度で、見立てとしての面白さは弱いですから。

QUESTION03

では、田中さんの作品の面白さはどのように磨かれていったのでしょうか?

大学卒業後、鹿児島の制作会社に入社してデザイナーをしていました。広告を作っていたので、面白いアイデアを考えないといけない。そこで思いついたりしていたんです。例えばミニチュア人形がここにあって、ファスナーの部分を線路やソリとして使うと広告として面白くなるかな、とか。それにコピーをうまいことつけると一枚のポスターにできるなとか。幼少期の経験もありつつ、そうやって広告を作っていたことも大きいと思います。

出番を待つミニチュア人形たち

QUESTION04

作品のネタはどんな時に思い付くのですか?

自然と思いつくようなことはあまりなくて、無理やり考えようとしないとアイデアも浮かばないことがほとんど。例えば冬といえば雪ですよね。そうすると、まず白いもの、雪っぽく見えるものを探そうとか、クリスマスツリーをテーマにするときは、まずは三角のものをたくさん探そうとか、目的をもってモノを見ないと見つからないです。なんとなく思いつくときもありますが、作品をきちんと毎日更新するうえで時季に合ったものを考えるには、そういった作業が必要になってきます。

QUESTION05

ご自分の作品が多くの人に支持されていることについて、どのように感じていますか?

やはりインターネットのおかげですよね。それがなかったら、こうやって自分の作品を沢山の方に見てもらうこともできなかったわけなので。一方で、インターネットを通して知ってもらっているので、あまり鹿児島の人と思われていないのが面白いです。東京の方から連絡が来て「明日打ち合わせ行きませんか」と気軽に言われることも。最近ようやく鹿児島在住ということが認識してもらえるようになってきました。

QUESTION06

海外からの反応についてはどのような印象を持たれていますか?

作品を分かってもらえていると感じます。食べ物とか日用品は世界共通のものなので、それを何に例えるかは言葉がなくてもわかるのかなと。アラビア語や中国語でコメントが入っていたり、中東からメールで仕事の依頼が来たりすることもあります。台湾や香港からも多いです。感想としては、もっと英語を勉強しておけばよかったなと…。返事にはグーグルの翻訳機能を利用しています。

撮影風景

QUESTION07

昨年の11~12月には、初の個展を鹿児島で開催されました。

期間中は展示物を入れ替えたり、会場内で見立てられる場所をみつけたらそこにミニチュアの世界を作ったりしていました。たくさんの方に来ていただき、九州は全県から、大阪や台湾などからも、このために来てくださった方がいらっしゃいました。

QUESTION08

海外進出の野望はありますか?また、今後やってみたいことは?

「海外で個展をやったら」と言ってもらえることもありますが、今のところは海外での個展よりも、まず国内で半数以上の人に見てもらえるくらいになれたらと思っています。やってみたいことは、ミニチュアとは逆の発想。例えば部屋全体を使ってキッチンの上を表現して、人間をミニチュアに見立てるような世界を作ってみたらどうなるかなと考えたりしています。

人形とからめて使われる道具は様々

QUESTION09

SNSを通して世界中に知られるようになった田中さんですが、住んでいるこの鹿児島は、田中さんにとってどのような場所ですか?

「いい距離感」の場所。東京や大阪はイベントごとも多くてよく呼ばれるのですが、そのときには飛行機一本ですぐに行けますし、一方で、離れているのでしがらみを感じることなく制作に専念できます。都会に比べるとあくせくしてなくて、おもしろいことがほどよくあってほどよく無いのもいいところ。子どもの頃の「買ってもらえなかった感」じゃないですけど、自分にとってはおもしろいことが多すぎてもダメ。地方はだいたいそうなのかもしれないですが、ただ自分にとって鹿児島は、学生時代からいるので一緒に飲みに行ける友人もいて、まったく知らない人ばかりというわけではなく、いい具合に息抜きもできて制作に打ち込める環境かなと思います。

QUESTION10

最後に、鹿児島の好きなところや好きな場所を教えてください。

宇宿のハンズマン(ホームセンター)です。物色するのが楽しくてよく行きます。巨大なボルトとか、他ではあまりお目にかかれないようなサイズのものや道具が色々とあって、そういうのを見るのが楽しくて、ずっと居られますね。あとオプシアミスミ(書籍や雑貨、文具、玩具などを扱う書店や衣料品店、飲食店などが集まったショッピングモール)も好きです。初めて買ったミニチュア人形も、学生のころにオプシアミスミで出会ったものなんです。

2016年1月4日に更新された作品「新パン線」

浅野哲也

PROFILE

田中達也

1981年熊本生まれ。大学進学を機に鹿児島へ移り、現在も鹿児島を拠点にアートディレクター、ミニチュア写真家として活躍中。2011年4月から毎日欠かさず更新している「MINITURE CALENDAR」がインターネット上で人気を呼び、雑誌やテレビなどのメディアでも広く話題に。ディズニー配給の映画「アントマン」にも作品を提供している。